郡上市/大野市(岐阜/福井) 毘沙門岳(1385.3m) 2022年3月21日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 4:29 桧峠−−4:42 スキー場下端−−5:14 スキー場トップ−−5:25 1201m峰−−5:56 毘沙門岳−−6:18 1201m峰−−6:24 スキー場トップ−−6:40 スキー場下端−−6:56 桧峠

場所岐阜県郡上市/福井県大野市
年月日2022年3月21日 日帰り
天候
山行種類残雪期の一般登山
交通手段マイカー
駐車場桧峠の路側に駐車
登山道の有無あり
籔の有無無し
危険個所の有無無し
冬装備スノーシュー、アイゼン
山頂の展望北〜南東に開ける
GPSトラックログ
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コメント桧峠から往復。スノーウェーブパーク白鳥高原(スキー場)へ続く車道は登山者は歩きでも進入禁止との標識が出ていたので道路横の斜面を伝ってゲレンデ下端を迂回してゲレンデより一本東側の尾根を登った。ゲレンデトップ〜1210m峰までは昨日のものと思われる新しいスキー跡あり。積雪で夏道はごく僅かしか見えていなかった。山頂は積雪で山頂標識が埋もれて人工物無し。剱岳〜立山〜薬師岳〜黒部五郎岳〜笠ヶ岳〜槍穂〜乗鞍岳がずらりと並んでいた


杉山付近から見た毘沙門岳


スキー場へ続く車道入口。平日以外は駐車料金が必要 登山者は人間も進入禁止なので車道を避けて進んだ
尾根取り付き 薄雲だが月明かりが使えた
リフト頂上駅 ゲレンデより先にもスキー跡あり
途中でスノーシューをデポしてアイゼン装着 1060m鞍部から山頂方向を見ている
1060m鞍部から南東を見ている。下界の町明かりが美しい 1210m峰から見た毘沙門岳(正確には山頂は見えていない)
5時半くらいからライト不要な明るさになった 1200m鞍部の目印
1200m鞍部から登り返し。笹藪が出ていた 藪を避けて右に迂回。急斜面
標高1240m付近で尾根に復帰 標高1250m付近
昨日の霧氷。一度溶けかけて氷に変わっていた 標高1320m付近
標高1360m付近 毘沙門岳山頂
毘沙門岳から見た南西方向。鞍部を挟んで西山が大きい
毘沙門岳から見た北〜東〜南東の展望(クリックで拡大)
毘沙門岳から見た剱岳〜立山〜薬師岳〜黒部五郎岳〜笠ヶ岳〜槍穂(クリックで拡大)
毘沙門岳から見た焼岳〜霞沢岳〜乗鞍岳(クリックで拡大)
毘沙門岳から見た剱岳 下山開始。正面には大日ヶ岳
1640m肩から見た北側の展望(クリックで拡大)
一部で見えていた夏道 1200m鞍部の夏道の案内
1210m峰で引き返したスキー跡 1210m峰からの下り
東側には山中山〜白尾山の山並み
1201m峰への登り返し 1210m峰からスキー場方向を見ている
デポしたスノーシューを回収 小ピーク左を巻いてゲレンデトップへ
ゲレンデトップ ゲレンデトップから見た毘沙門岳
ゲレンデを見下ろす。営業前なので無人 ゲレンデから東に延びる尾根に入る。スキー跡多数
ゲレンデの東側から見た毘沙門岳
往路の尾根を下る。ゲレンデ外だがスキー跡多数 標高1130m付近。自然林と植林の境界を下る
標高1070m付近。植林と分かれて自然林の尾根を下る 西側にはスキー場下端が見えてきた
眼下に林道が見えた 雪に埋もれた林道に乗る
車道に出てしまうので林道を逸れて斜面を巻く 車道東側の尾根を進む
スキー跡と足跡 雪が消えても藪は薄いようだ
車道を見下ろす 旧桧峠。昔は歩いてここを越えた
旧桧峠の小さなお社 桧峠到着


 お彼岸の3連休の初日で大山、2日目で杉山と小白山に登り、石徹白周辺の地形図記載の山で未踏は毘沙門岳と西山の2山となった。この2山は鞍部を挟んで対峙しているのでまとめて登るのが効率的だが、連休最終日にこれをやると体力的に厳しいし帰りが遅くなるので、今回は簡単に登れる毘沙門岳のみ片付けることにした。ここは夏道があるのでこの時期に登るのはもったいないが、所要時間と残りの体力を考慮すれば致し方ない。

 ルートは北側の檜峠からスキー場経由が一般的だろうが、スキー場が営業しているこの時期にスキー場のゲレンデ内を歩くわけにはいかないだろうから、ゲレンデを避けて登る必要がある。地形図を見るとゲレンデ最下部から東へ分岐する車道が描かれており、これでゲレンデより1本東側の尾根に乗って登り、ゲレンデトップに出たら南に巻いてその先の尾根に出ればいいだろう。

 檜峠は何度も通過しているが起点とするのは初めてだ。見渡しても正式な駐車場は無いが、除雪用重機が止められているスペースの端に置くのなら問題ないだろう。今は除雪の必要は無いので重機はこのまま駐車しているだけであろう。

 3連休最終日で明日は会社なので、早く帰って休憩時間を長く確保したいため日の出前に出発。登りの間は暗くてもルートミスの心配は無いだろう。上空は薄雲が出ておりおぼろ月が見えており、気温は車の温度表示で-1℃だった。冷えている方が雪が締って歩きやすいので歓迎だ。

 ゲレンデ下端までは車道が通じているのでそこを歩こうかと思ったら、峠から100m程の料金所(この時間は無人。清算は帰りに行うと看板が出ていた)の先に「私有地に付き登山者及び登山者の車両は立入禁止」と書かれた看板が出ていた。今は日の出前の早朝で無人だからこのまま道路を歩いても迷惑は掛からないだろうが気分的にイヤなので、道路の左側縁の尾根上を進むことにした。同じようなことをする人がいるようで、ここには1人の足跡とスキー跡があった。まだ新しいので土曜か日曜日のものだろう。

 ゲレンデ下端の駐車場には車が数台見えているが、おそらくゲレンデ整備等の関係者の車だろう。ゲレンデからはエンジン音が聞こえており、おそらく圧雪車で雪面をきれいに均しているのだろう。ゲレンデ整備ができるのは営業時間外だけなので、こんな時間までやっているのだと思う。ご苦労様。

 斜面を巻いているので左へ分岐する車道へと自動的に合流。スキー場から見えない位置まで進んだところで林道に乗り、道が左に急カーブしたところで斜面に取り付く。ここには深い谷があり、右側はゲレンデのある尾根、左側が計画した尾根である。末端は法面で急だがスノーシューを効かせてグイグイと登る。昨日同様に雪は固く締まって全く沈まない。もしかしたらスノーシュー無しでも沈まないかもしれないが、雪質にムラがあって踏み抜く場所がないとも限らないので、スノーシューのまま進むことにした。

 傾斜が緩めば幅の広い自然林の尾根に乗り快適に歩ける。ゲレンデの隣の尾根だけあってスキー向きの斜度だが、歩く分にはもう少し傾斜があってもいい。バックカントリーで滑った跡も見られたが、こんな尾根末端付近まで滑り降りてしまうとゲレンデに戻るには登り返さないといけないのでルートミスだろう。

 標高1070m付近で左から尾根が合流するとから左側が植林帯に変わる。尾根幅はますます広がりどこが尾根の直上なのか判別不能だが、登りは細かいことを気にせずに上を目指せば問題無し。ただし下りは要注意だな。スキー跡はさらに増えた。西隣の尾根にあるスキー場ゲレンデでは圧雪車が前進とバックを繰り返してゲレンデ整備していた。ゲレンデにはナイター設備は無いので圧雪車のライトの光しか見えない。

 標高1150m付近で尾根が右に曲がってゲレンデに繋がる。今まで以上にスキー跡が多数あるが、正確にはここはまだゲレンデではないようで圧雪車が引っかいた細かな溝は無い。平坦な尾根を西に進むと圧雪車が通過した跡が登場し、ここからが正確なゲレンデの範囲らしい。整備した雪面を荒らさないよう、圧雪車から漏れた南端を通過した。スキー場の営業時間内だったらトラブルを避けるために尾根の南斜面を巻いて進むのがいいだろう。

 ゲレンデトップの裏側は雪山ができていて、最初は除雪した雪の塊かと思ったら自然地形であった。おそらくゲレンデを作る際に尾根を削り取って平坦にし、残った部分が山になっているのだろう。この山の北側を巻くように多数のスキー跡があり、西へ延びる尾根に続いていた。こちらはゲレンデとは反対方向なので、明らかに毘沙門岳を目指したスキーヤーと思われた。スキー跡はカチカチに固く凍っていて全く沈まないので舗装道路を歩くようなものだ。これならスノーシューは不要ではないかと思い、試しに長靴でスキー跡に立つと全く潜らない。おそらく山頂までこの状況が続くだろうからスノーシューの出番はもうないだろうと判断し、スノーシューはデポすることに。営業前のこの時間なら誰かに持っていかれる心配もない。スキー跡はツルツルに滑るのでアイゼンを装着した。靴底が柔らかい長靴とアイゼンの相性はいいとは言えないが、このアイゼンの固定は一本締めなので外れる心配はない。これが軽アイゼンだとたぶんダメだろう。この頃(5時半くらい)には徐々に明るくなってきてライト不要になったが、まだ下界の街明かりが輝いていた。

 1201m峰からの下りは南側が小さな雪庇になっていて、スキー跡は西側から回り込んでいたのでそれに従う。次は1210m峰でまた下りになるが、ここでスキー跡は全て引き返していて、全てのスキーヤーが毘沙門岳へ向かったのかと思ったら予想が外れた。こんな半端な位置までとは目的が良く分からないが、もう登り返すのは面倒だとの判断なのだろう。

 私は当然ながらこの先へ進むため鞍部へ下り登り返し。ここでは古いスキー跡が微かに確認でき、だいぶ藪が出ている正面の尾根ではなく1本西側の真っ白で立木が少ない尾根へとトラバースしていたが、スキーならそれが正解だろう。正面の尾根は傾斜も急で木がたくさん生えているのでスキー向きではない。

 藪(主に笹)を避けるため雪が付いた尾根西側の斜面を登ることにしたが、これまた傾斜が急だ。この斜面は太いブナではなく幹の細いものばかりで一度伐採されたのだろうか。そろそろいいだろうと適当なところで尾根に復帰すると、尾根の東側は雪が付いて藪は無く快適に歩けた。僅かな区間だけ尾根直上の地面が見えていたが夏道あり。そうだ、この尾根上には夏道があったのでわざわざ西に迂回する必要は無かったのであった。

 尾根は雪庇が発達し東側には立木が無く展望が開ける。大日ヶ岳に隠れるギリギリに見える三角形の山は間違いなく剱岳。その右には別山、立山と続き、さらに右には薬師岳、北ノ俣岳、黒部五郎岳、双六岳、笠ヶ岳と続いて槍穂、焼岳、霞沢岳、乗鞍岳と北アルプスの峰々が屏風のように並んでいた。その南側は山中山〜鷲ヶ岳〜白尾山があり、その右側はおそらく中央アルプスだろう。そこから少し離れた三角形のピークは恵那山。それより西は私の知識では分からない。

 昨日の小白山では霧氷が発達していたがここでも昨日は霧氷ができたようで、一度溶けかけて半透明の氷に変わって木に張り付いていた。かなりの霧氷は落ちてしまったようで、雪面には細かな塊が無数に落ちて特徴的な模様を作っていた。高度がさらに上がると出来立ての霧氷の状態が保たれて木の枝は真っ白であった。

 1640m肩では西側のブナも一時的に薄くなって北側の展望が開け、昨日登った小白山、野伏ヶ岳、薙刀山、願教寺山、雲に隠れた別山、初河山、芦倉山、大日ヶ岳と続く。

 さらに登って大きな丸いピークが毘沙門岳山頂だった。夏道があるので山頂標識があると思うが、一面の雪原で人工物は一切見当たらなかった。先週辺りは登った人がいるはずだが、山頂一帯には足跡やスキー跡は確認できなかった。先週末は天気が良かったので跡は溶けて消えてしまったのかもしれない。山頂も西側は背の高いブナが並んで視界を遮っていて、西や北の展望はあまりいいとは言えないが、東半分は遮るものが無い大展望で、ここまでの尾根で見えているのと同じで北アルプスは北端から南端までずらりと並んでいた。

 帰りは往路を戻る。下りよりも横移動が長いので下りの所要時間は往路の半分には届かないだろう。今回の雪質は全く沈まなかったのでほぼ無雪期と変わらないくらいのはずであり、登りのラッセル分の時間がかかっていないので下りの所要時間の短縮はさらに少ない。デポしたスノーシューを回収しゲレンデトップへ。まだ営業前で閑散としていた。圧雪車のエンジン音はかなり遠くから聞こえていて、ゲレンデ整備もほぼおしまいらしい。

 往路の枝尾根に入るが登りでは暗闇の中だったこともあって細かな読図はしなかったため、往路では広い尾根のどこを登ったのかよく分からない状況だった。基本的には植林と自然林の境界を下っていったが、下りでは枝尾根が分かれるので気を抜くと引き込まれそうになる。標高1070m付近で植林は枝尾根に続いていて往路の尾根は全体が自然林に変わっていた。そういえばこも尾根の登りの前半は自然林で後半は植林だったなぁ。

 尾根末端付近で左手下方に雪に埋もれた林道が登場。往路で斜面に取り付いた場所より東寄りだったが、こちらの方が傾斜が緩くて取り付きやすそうだった。

 林道に降り立つが、このまま林道を上がるとスキー場下端から車道に出てしまうので、往路と同じく途中から斜面をトラバース。傾斜が急でアイゼンが役立つ。そのまま車道に沿って東側の斜面や尾根上の残雪を拾って進むが、往路では暗くて気付かなかったが比較的新しいスキー跡と足跡が残っていた。おそらく昨日か一昨日の跡だと思うが山頂にはこの跡が無かったなぁ。もしかしたら今日のように雪が固く締まって標高が高い場所では痕跡が残らなかっただけかもしれない。

 料金所付近には旧檜峠の標識と小さなお社あり。まだ車道が通じていなかった時代は人々はここを歩いて越えていたのだ。それを考えると石徹白は岐阜よりも福井側の方が交通の便が良かったのかもしれない。

 最後は料金所も迂回して檜峠に出た。まだ7時過ぎでこれからスキー場に向かう車が上がってきていた。駐車場所にあった水たまりは出発時に芦を突っ込んでしまい氷が割れていたが、私が歩いている間に新たに氷が張っていた。

 

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